案件名
法人向けストレスチェックシステムのクラウド環境構築により内製化支援を実現
お客様 | キヤノンITSメディカル株式会社 |
---|---|
担当者様 | 第一ソリューション本部 第二開発部 開発第一課 山田 大輔様 (写真左) |
期間 | 6ヶ月(2023年9月から2024年3月) |
概要
概要
Before
・お客様が外部委託を行っていた業務の内製化が必要
・リリース予定が決まっており、迅速な対応が必要
・クラウドサーバーでの開発が未経験であり、社内のノウハウが不足
・AWS上で特定のベンダーの製品が必要であるという課題
After
・外部委託していた既存ソリューションのクラウド化
・ビジネス展開のためのクラウド基盤を構築
・AWSを用いたシステム開発のノウハウを、社内に蓄積
・ベンダー製品のライセンス規約に則った上で、クラウドサーバーへの導入の実現
導入背景
導入背景(紹介文)
キヤノンITSメディカル株式会社は、1972年に設立された医療情報システムを中心とした事業を行なっている企業です。同社は、病院・診療所・調剤薬局・健診施設等、医療関連施設に業務効率化のための医療ITソリューションを提供しています。同社の強みは、医療ITソリューションの提案・開発から導入・運用・保守を「One Stop」で提供していることです。また、2拠点で運営しているサポートセンター(東京・大阪)で操作・トラブルに対応しています。同社が提供する医療ソリューションには、電子カルテ、レセコン、健診支援システム等があります。
今回、AWS上で導入したシステムは法人向けのストレスチェックシステムです。企業に所属する従業員がストレスチェックを受け、その結果によって診療の案内を送るというものです。
システムのクラウド環境のインフラ構築内製化の支援をジェイテックが担当しています。

キヤノンITSメディカル株式会社 公式サイト
キヤノンITSメディカルは1972年の設立以来、一貫して医療情報システムを中心とした事業を行なってきました。その豊富な医療ITの導入ノウハウとマルチベンダーであることの強みを生かし、幅広いソリューションやサービスの中から、最適なソリューションを提供します。 |
選定理由
J_TECHを選んだ理由
山田氏には以下のようにお答えいただきました。
「当部門では今回のようなスクラッチ案件の経験が無かった上に、クラウドのサーバを利用しての開発経験がありませんでした。貴社には弊社のメインソリューションとなる電子カルテの導入案件にて、15年以上前からビジネスパートナーとして協力してもらっていました。そこでAWSでの構築を相談したところ、クラウドに特化した部署があることを紹介されました。ジェイテックの技術力が高いことはビジネスパートナーとして協力してもらっていた時から実感していたので、是非ともということで依頼をさせていただきました。」
上記の通り、弊社への依頼から、提案・見積を経て取引を始めさせていただきました。

課題
課題
1.オンプレミス環境からの脱却化
今回のストレスチェックシステムをクラウドで導入する主な理由は、オンプレミス環境でのリリースに伴う高額なコストです。施設ごとにサーバー機器を用意する必要があり、また導入後の保守運用においても現地に人員を派遣する必要がありました。そのため、コスト面の懸念のみならず、人員・時間も常に必要な状況が生じていました。
そこで、システムをAWS上でSaaS化することにより、様々な病院や事業に柔軟に展開できることが期待されました。共通の基盤を活用することで、新しい施設や事業に対して迅速かつ効率的なサービス提供を実現したいという思いがありました。
2.クラウドの人材不足
今回のクラウド運用にはいくつかの課題が浮かび上がりました。当部門ではクラウドに関する知識および知見を有した人材が不足しており、また、リリース日が決まっていた為、迅速な対応を求められました。
ストレスチェックシステムは、他のシステムと同様の構成でクラウドでの運用が必要であり、保守運用要員がクラウド運用できる状態になることも必要でした。
提案
提案したソリューション
1.AWS上でほかソフトウェア・ベンダーの製品を使用
他のシステムと同様の構成でクラウドでの運用という要件がありました。AWS上で特定のベンダー製品を使用する為に、すべての要件を兼ね備えたAMI(Amazonマシンイメージ)はありませんでした。その為、適切なAMI選定とライセンス規約に則った上で、ライセンスの購入方法を提案し、既存の構成を崩さないように主要なサービス、Amazon EC2やAmazon S3などで構築を行いました。
2.AWS一括管理によるコスト・導入の最適化
従来は顧客ごとにサーバーを導入していましたが、AWSの導入により一括管理できるようになり、顧客ごとにサーバーを導入する必要がなくなりました。その結果、現地訪問コストの削減、サーバー購入イニシャルコストの削減、他の法人への導入が容易となり、アジリティの向上が可能になりました。
3.保守運用要員へのサポート
クラウドの知見をお持ちでない保守運用要員であっても、Amazon EC2のデプロイや、Amazon CloudWatchのアラーム作成といった管理業務を行いやすいよう、手順書を作成することでサポートを行いました。

結果
導入したことによる実感
山田氏「元々AWSを始めクラウドに関するノウハウが無く、ゼロからの導入で弊社からのインプット材料も希薄な中、提案ベースで構築に携わっていただいた部分は高く評価しており、当初の想定よりも良い成果が出たように思います。エンドユーザー様からも当初からの要件を満たすソリューションの提供ができ、満足いただいています。
また、当部門内において、初めてAWSでの構築を一緒に進めさせてもらい、クラウド開発でのノウハウが得られたように思います。今後クラウドを用いたシステム構築の際には、予め解像度を上げた状態で御社への相談ができるのではないかと考えています。」
今後
今後の展望
今回の事例により、キヤノンITSメディカル様は『クラウドでの開発』というものに対してポジティブに捉えることができる一歩となったと述べられ、今後も当案件のエンドユーザー様を中心にAWSを利用したシステム構築を想定されているとも言及されました。
ジェイテックは、今後もキヤノンITSメディカルのシステム開発・内製化を引き続き支援してまいります。
(下記画像右は山田 大輔様
下記画像左は当社 システムソリューション部 戦略推進課 クラウドソリューションG 大友 敬太郎)
